「良い事業所」は、誰が決めるのか

作業中に流れていたラジオから、心に残る話が聞こえ

てきました。

iPhoneで知られるスティーブ・ジョブズの言葉とし

て、商品の良し悪しを判断するのは社長ではなく、

実際に使うエンドユーザーだ、という趣旨の話が紹介

されていました。

聞きながら、私たちの事業所にも通じる考え方だと感

じました。

私たちは日々、利用者さんにとって働きやすく、成長

できる事業所を目指しています。ただ、私が「良い環

境をつくれた」と思っていても、利用者さんが同じよ

うに感じているとは限りません。

作業の説明は分かりやすいか。


困ったときに相談できるか。


自分に合った役割があるか。


以前よりできることが増えたと感じられるか。

その答えは、毎日ここで働く利用者さんの声や表情の

中にあるのだと思います。

成長といっても、作業が速くなることだけではありま

せん。分からないことを質問できるようになる。

自分から工夫を提案する。任された仕事を終えて、少

し自信がつく。そうした変化も、大切な成長です。

もちろん、事業を続けていくためには、売上や効率も

必要です。その仕事に取り組む一人ひとりが、どのよ

うな気持ちで働いているのかにも、目を向けていきた

いと思います。

マネージャーとして環境を整える責任を持ちながら、

利用者さんの声を聞き、必要なところを変えていく。

「ここで働けてよかった」


「前よりできることが増えた」

そんな実感を持ってもらえる事業所を、一歩ずつつく

っていきたいと思います。

作業中のラジオから、日々の運営を見つめ直すきっか

けをもらいました。

利用者さんの一言から、クリーニングの次の一歩へ

先日、クリーニング担当の利用者さんから、「革製品

以外の汚れにも、対応できる方法を増やしたいですね」

と提案がありました。

私自身も、以前から取り組みたいと思っていたこと

です。日々の作業の中で、利用者さんも同じ思いを持

ってくれていたことを、うれしく感じました。

当事業所では、中古ブランド品のバッグや財布を中心

に取り扱っています。今後、衣類やスカーフ、アクセ

サリーなどへ商材を広げていくにつれて、素材や汚れ

に合わせたクリーニングの知識と技術も、より必要に

なってきます。

例えば、衣類やスカーフのシミへの対応、アクセサリ

ーのクリーニングなど。同じ「汚れを落とす」という

作業でも、素材によって適した方法は異なります。

商品を傷めずにきれいにするためには、慎重な確認と

学びが欠かせません。

これまでは、作業のスピードや効率を優先し、革製品

以外の専門的なクリーニングには、十分に取り組めて

いませんでした。

まずは販売担当の業務を整え、そのうえで、クリーニ

ングの幅も少しずつ広げていきたいと考えています。

対応できる素材や汚れを一つずつ増やし、難しいもの

は専門業者に相談するなど、無理なく経験を積んでい

くつもりです。

利用者さんの「もっとできるようになりたい」という

気持ちは、事業所にとっても大切な力になります。

その思いを一緒に育てながら、商品の価値を高められ

る仕事につなげていきたいと思います。

急がず、一歩ずつ。できることを増やしていきます。

AIを活用しながら、人の力を生かす仕事へ

数年前、AIが身近になり始めた頃から、簡単なパソコ

ン入力などの仕事は、今後大きく変わっていくだろう

と感じていました。

当事業所でも、AIを積極的に活用する一方で、人の目

や手、判断が必要な仕事を考えてきました。

その中で選んだのが、中古ブランド品のリサーチや販

売、リペアなどの仕事です。

現在は、Excelのデータ整理や文書作成、商品の真贋

を確認する際の情報整理など、さまざまな場面でAIを

活用しています。ただし、真贋についてはAIの回答だ

けで決めず、現物の確認や専門的な判断と合わせて

慎重に確認しています。

開所当初、利用者さんにお願いしていたExcelへの入

力作業も、今では多くの部分をAIによって短時間で進

められるようになりました。実際に使ってみると、そ

の変化の速さに驚かされます。

一方、私たちが行うリサーチでは、商品の状態や細か

な違いを見て、仕入れの候補として適しているかを考

える必要があります。AIの助けを借りながらも、現時

点では人の目で確認し、判断する工程を大切にして

います。

また、クリーニングやリペア、検品、梱包・発送とい

った仕事には、人の手による丁寧な作業が欠かせませ

ん。

これからも、AIにできることは増えていくと思いま

す。

その変化に合わせて、私たちの仕事も見直していく必

要があります。

AIに任せられる部分は活用しながら、人が担う仕事の

質を高めていく。そして、利用者さんが経験を積み、

できることを増やせる仕事をつくっていく。

これからも試行錯誤を重ねながら、AIと上手に付き合

っていきたいと考えています。